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「あ、ああ。確かに同意はしたが……あ、明日良君!君はそれに異論が有ると言うのかね?」
余計な事を…………そう言わんばかりに教頭を一睨みした後、計都君に噛み付く様に問い質す校長。
高校二年生の我が校の生徒にオドオドするこの二人って……。
それに対し計都君は全く動じないまま眩しくニコッと笑った。
「いえいえ~。ただ全体の文面を読んだら、特に爆弾を仕掛けるとかいう内容が無かったんですよね!だから、何で爆破予告って思い至ったのかなぁ?って思っちゃって」
へ?
「……確かに。初めの一文に“爆”という字があるが、それ以外にはこれといった爆破を指し示す言葉は見当たらない。爆破予告と言われたからつい私もそう思い込んでしまったが…………何故最初にそう思われたんですか?教頭」
腕を組み、厳しい顔つきで田辺先生が教頭に尋ねる。
あぁ……本当だ。
全然気付かなかったよ、私。
「な、な、何故って!その最初の一文がそう書いてるじゃないか!祭だぞ!?もうすぐ文化祭だろうが!文化祭の日に爆発が関係する事件を起こすって予告だろ、これは!」
必死に捲し立てる教頭がなんとも哀れだ。
そんな教頭に対し計都君が発した次の言葉は、私にとって予想外のものだった。
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