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「んじゃ、この件はこれでひとまず終了ってワケだな?計都」
藤崎君が謎かけ中傷文の書かれた紙を丸めて廃棄しながら計都君に尋ねた。
それに対し計都君は…………ニッコリ笑うと頭を振った。
「まだだよ、蓮司」
「え?」
え?
藤崎君の返しと私の気持ちが重なる。
いや、皆同じ気持ちだろう……現に終わりだと思って自分のデスクに向かおうとしていた先生達も足を止めて振り向いたし。
「ま、まだって……何が?」
思わず私は聞き返してしまう。
もはや恥ずかしがり屋とか気にしていられなかった。
そう、私には気に掛けていた事があった。
さっき計都君は肯定も否定もしていなかった。
まさか…………
「爆破予告は本当だからね♪」
笑いながら言う計都君。
その、まるで何でもない事のように淡々と告げた計都君の様子に、私は背筋が寒くなるのを感じていた。
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