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向かった先は音楽室。
扉の前で「何で音楽室?」と一人呟いた私に、計都君は「暴れられても音が外に漏れないようにだよ~」と物騒な事をにこやかに告げてきた。
え?暴れるんですか!?行きたくないんですけど!?
引きつった表情の私を見て、クスクス笑いながら躊躇無く音楽室の扉を開ける計都君。
渋々ながらも続いて中に足を踏み入れると…………そこに居た人物に私は驚愕する。
高田教頭と…………田辺先生。
教頭は何故か呆けた顔で椅子に座っており、その隣では憮然とした表情で腕と脚を組みながら腰掛けている田辺先生。
私達が来た事に気付くと、田辺先生は計都君を睨みつける。
「何故…………分かった?」
絞り出す様な低い声。
その言葉は、その雰囲気はまるで絞り出すように低く……田辺先生が自分が犯人である事を自白しているようにも聞こえた。
頭脳明晰で生徒からの信頼も厚い田辺先生。
そんな先生の言葉に私は頭を混乱させながら、でも黙って計都君の返答を待った。
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