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「なら、それを唆した人物が居る筈。その人物のメリットは何か?それを考えてみましたが、その時は何も思い当たりませんでした」
唆す?何の為に…………。
「すぐに思い当たらないなら少し泳がせてみようと考えました。なので、僕は『爆破予告は本当』というでっち上げを言ってみました。その間に黒幕がどう動くか?それを観る為にね」
……でっち上げだったのね…………。
「幸い、僕には探偵業をしている兄が居まして、今回は協力して貰っちゃいました。するとまさか。本当に爆破しようとしている気配がある、との報告を受けました。しかもそれが……田辺先生だと。でも物証は無いし、変に問い詰めて逆上されても困りますから今まで掛かっちゃいました」
……妙なところで計都君の知らない家庭事情を垣間見ちゃった。
お兄さんが探偵さんをやってるなんて…………。
「そして今日の午前中に教頭先生に暗示を掛けて、田辺先生のパソコンからデータを抜き取ってきて貰ったんです。校内のパソコンのパスワード管理は教頭先生が一括管理しているという事だったので」
計都君は一気に話し終えると、得意げにUSBメモリーを取り出し田辺先生に見せつけた。
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