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一気に語った計都君は普段とは全く違う雰囲気で……なんだか私は怖くなってしまった。
いつも通りに笑顔は浮かべている計都君。
でもその笑顔はいつもの天使の様なスマイルから打って変わり、妖しさを含んだ微笑であるように私の瞳には映った。
計都君は語る中で、これまでの経緯を説明してくれた。
……前半部分でかなり校長と教頭についてディスっていた感じがするけど。
そしてあの時に既に教頭の態度がおかしかった事を見抜いていたらしい。
スゴい洞察力。
そして共犯が居る事まで気付く頭の回転の速さに唯々驚嘆するばかりだ。
お兄さんが居て探偵をやっているなんて事は初耳だったけど……私にはそれよりも気になるワードがあった。
「け、計都君……“暗示”って?」
今の怖い雰囲気の計都君に、それでも私は恐る恐る尋ねてみた。
信じたくないけど……もし本当に“暗示”なんてものが存在して、それで皆を操れたりするんだったら……もし今までずっとそんな事を計都君が行っていたのだとしたら…………。
「…………………」
計都君は前を向いたまま私の問いに答えようとしてくれない。
すると隣で藤崎君が呆れた様に盛大に溜息を一つ吐いた。
「吾妻先輩って……ホントにバカなんだな」
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