生徒会長 計都

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「なっ!?」  いきなりの暴言に隣に居る藤崎君をキッと睨むも、当の藤崎君は可哀相なものを見る視線を私に向けながら話を続けた。 「あのよぉ……今まで何回計都の言葉に動かされてきたと思ってんだよ?本人が意図するしないに関わらず、こいつの言葉には強い力があるなんて生徒会の人間じゃ無くても分かりきっている事だろうが。だとしたら暗示だか催眠術だか知らねぇけど、それぐらい楽勝で出来るのも納得だろ?それを今更、そんな恐ろしいものを見る目でこいつの事を見てんじゃねぇよ。そんなの関係無く計都はいい奴なんだからよ」 「あ…………」 「むしろ、本人は出来るだけそんなの使いたくないと思っているんじゃないか?今までの計都を見てるとそう思うぜ?それを今回あえて強く作用させたんだ。それなりに辛い決断だったんじゃねぇの?」  そう言われて私のバカさ加減に気が付く。  いつも恥ずかしがり屋の私へ細かい配慮をしてくれてた計都君を、得体の知れないものを訝しむ様な目で見てしまうなんて…………彼が悪意を以て人を操るような人間じゃないのは一番私が分かっていた筈なのに!
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