ＫＥＩＴＯ ～【明日良】の業を背負いし高校生活の日々～

生徒会長 計都

「「明日良！！」」

　一斉に振り返り、計都君の名を大声で呼ぶ先生達に驚いて身を竦めてしまう。

「遅くなりましたぁ。どれですか？その予告文って」

　ニコニコしながら先生達が輪になっている中心に歩み寄っていく計都君。

　てか、何で二人共息一つ乱してないの？

　普段運動なんてしてない私は足がガクガクなのに……。

「これだ…………ほら」

　二学年の主任教諭の田辺先生が、眼鏡を直しながら難しい顔で一枚の紙を計都君に手渡す。

　田辺先生は白髪交じりの髪をオールバックにしたナイスミドル。

　生物科学担当なので白衣をいつも着ているが、それがまた良く似合う。

「ちょっとちょっと！冗談じゃないぞ！私が在任中にこんな騒ぎが起こるなんて！」

「それは私もですよ校長！せっかくここまで昇ってきたのに左遷とかあり得ませんから！」

　校長、教頭コンビが騒いでいる。

　こんな事言ってるから生徒達に嫌われるのに……思わず私は冷めた視線を送ってしまった。