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霊界のニューウェーブ
現実の世界で連が面談室で気絶した事が学校中の噂になり、ネットの世界では幻の小説の噂が現実になる。この時、連を中心にして霊界のニューウェーブが巻き起こったが、本人を含めて関連性を疑う者はいない。
この学校の空間に流出したスピリチュアルな波長を察知し、暗黒のチューナーのダイヤルを微調整して、この学校に出現した霊界の入り口に割り込もうとする邪悪な者が存在した。
連にコンタクトした少女を追い、闇の書物を流布しようと試みる。暗黒と光りの波が押し寄せ、熾烈な戦いが始まる兆候だったのである。
「連が面談室で気絶したらしいよ」
「えっ、なんで?」
「分からない。芝居って、噂もあるけど」
「連だったら、やりかねないわね」
「でも、保健室に運ばれたのは真実。景子先生も顔面蒼白だったらしい」
体育館に隣接した道場で剣道の防具を外して汗を拭う文子にマネージャーが声を掛け、文子は早目に練習を切り上げて保健室に向かった。
しかし連はもう帰ったと保健室の先生に言われ、鞄からスマホを出すとLINEに着信があり、久美子と順也からコメントがあった。
[文ちゃん。一大事だ。]
[今、Bi-húnにいる。]
[連のやつ。仮病だったんだろ?]
文子が眉間に皺を寄せてそう書き込むと、すぐに久美子から返信がある。
[とにかく、Come on]
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