バクハツスル

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少年の好物の物を作り、母親はあの手この手で少年に食べてもらおうと努力するもまったく効果はなく、少年にしみついた臭いで、家族も何となく食欲がなくなってしまった。 「おかしいわね。ちゃんとお風呂にも入ってるし、服も綺麗なものを着せてるのに。」 母親は悩んだ。あの卵騒動から依然として、少年の体からは腐臭が漂っているのだ。 食事をせずとも、少年は元気だったので、とりあえず学校には通っていた。ただし、友人は相変わらず遠巻きに彼を拒絶するので、少年は孤立してしまっていた。そんな少年をあわれに思ったのか、同級生の女の子が大丈夫?と近寄ってきた。その時、少年は猛烈な空腹に襲われた。その女の子から良い匂いがしたのだ。 食べてしまいたい。 少年は、自分がとっさにそう思ったことに戸惑った。なぜ、女の子を食べてしまいたいと思ったのか。 少年は、怖くなって走ってその場を逃げ去った。残された同級生の女の子は呆然と、彼を目で追った。 少年は家に帰る途中に、車に轢かれてしまった猫を見つけた。また少年にどうしようもない空腹感と食欲が襲い掛かる。少年は、道路わきにしゃがみこむと、あたりを見回した。誰も居ないことを確認して、猫の轢死体を食べた。美味しい。なんて美味しいんだ。遠くから車が来るのを確認すると、慌てて道路から少年は離れた。 「僕、どうしちゃったんだろう。」     
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