第六章 飛翔せしもの

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三、朝の光の中で  全速力で走る俺。  極端に視野が狭くなって周りの景色も目に入らない。  よし、学校が見えてきた。  このままならギリギリ間に合うかも。 「おはよー」  走っている俺に横から誰かが声を掛けてきた。 「おはよっ!」  ったく誰だよ。この遅刻しそうな時にのんびり朝の挨拶なんてしてくるヤツは。  めんどくても一応、形だけは挨拶を返して走り去ろうとする。  が――。 「イテテテテッ!」  いきなり右手首を掴まれた俺は肘を直角に曲げられ、囚われた宇宙人状態にされてしまった! 「ちょっとぉ! せっかく人が気持ち良く挨拶してんだから、顔くらい向けなさいよっ!」  更に捻りあげられる、かわいそうな我が手首。 「分かった。分かったから、その手を離せよ」  パッと誰かの手が離れる。  俺はやっと痛みから解放された。 「お~痛っ」  右手首をさすりながら、俺を強引な方法で呼び止めたヤツのほうに顔を向ける。  まあ、見なくてもいきなり『こんなこと』をしてくるヤツなんて俺は宇宙でひとりしか知らないけど。  愛氣。 「最強サイアクの中二女子がこの地球を破壊しようと惑星アイーキから来襲して来た」
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