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三、朝の光の中で
全速力で走る俺。
極端に視野が狭くなって周りの景色も目に入らない。
よし、学校が見えてきた。
このままならギリギリ間に合うかも。
「おはよー」
走っている俺に横から誰かが声を掛けてきた。
「おはよっ!」
ったく誰だよ。この遅刻しそうな時にのんびり朝の挨拶なんてしてくるヤツは。
めんどくても一応、形だけは挨拶を返して走り去ろうとする。
が――。
「イテテテテッ!」
いきなり右手首を掴まれた俺は肘を直角に曲げられ、囚われた宇宙人状態にされてしまった!
「ちょっとぉ! せっかく人が気持ち良く挨拶してんだから、顔くらい向けなさいよっ!」
更に捻りあげられる、かわいそうな我が手首。
「分かった。分かったから、その手を離せよ」
パッと誰かの手が離れる。
俺はやっと痛みから解放された。
「お~痛っ」
右手首をさすりながら、俺を強引な方法で呼び止めたヤツのほうに顔を向ける。
まあ、見なくてもいきなり『こんなこと』をしてくるヤツなんて俺は宇宙でひとりしか知らないけど。
愛氣。
「最強サイアクの中二女子がこの地球を破壊しようと惑星アイーキから来襲して来た」
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