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朝っぱらから手首捻りあげたと思ったら今度は、優しく包んだりしてるんだからさ。
ある意味飴とムチ。
ある意味ツンデレ。
それはちょっと違うか。
俺もちょっとハズい……。
でも、だんだん愛氣に包まれた右手があったかくなって来た。
愛氣……。
俺はじっと愛氣を見つめた。
変な夢を見たせいだろうか。
愛氣が元気にそこにいることが、なんだか不思議な気がした。
でも、一ヶ月後には武道交流稽古と言う名の宍戸兄弟との『対決』が実際に行われるんだ。
まさか正夢じゃないだろうな。
「直人?」
「え?」
「まだ痛む?」
「うん。少し肘んところが」
すると今度は肘のあたりを優しく触ってくれた。
こうゆーとこちょっと不器用だけど基本的に優しくてイイ子なんだよな。
「あ、そうだ!」
「なに?」
「おじいちゃんが今日学校終わったらそのまま道場来なさいって」
「え? 今日は柔道の授業無いから道衣、家だけど」
「でも今日は制服のままでイイからって」
確かに今日は月曜日だから、一般の稽古は無い日だ。
だけど、俺と愛氣は開いてる道場で自主練を良くしている。
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