第六章 飛翔せしもの

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一、新たなる脅威  次の土曜日の午後。  俺は愛氣と虎蔵じいさん、宏治郎さん。そして今日は亜美さんも一緒に龍海中の武道館へ出掛けた。  稽古着に着替えて二階の道場に行くと柔道部が熱の入った練習をしていた。  壁の時計は午後の三時を少し過ぎている。  三時からは『健康合氣道倶楽部』の利用時間になっているはずだけど、やっぱりまだ柔道部は練習を止める感じじゃない。  唄子さんや他の倶楽部の人達も畳の外で待っている状態だった。  それを見てさっそく、宏治郎さんが顧問の鮫嶋のところに話しに行く。  鮫嶋はこちらをチラリと見ると座っていたパイプ椅子から立ち上がり俺達の方に歩いて来た。 「これは、どうもどうも上杉先生」  この前とは違って、やけに腰が低い鮫嶋。 「実はウチも試合が近いものでして。よろしかったら、半分ほど場所を譲って頂けると助かるんですが」  ここの畳は『妙心館』の二培くらい。百畳はあるだろうか?  見たところ柔道部員は二十人。  俺達のほうは十五人。  まあ、半分でも特に問題は無さそうだけど。 「ワシは別に構わんよ。元々そちらさんの武道館じゃて」
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