死神に捧げる最期

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ギシッ……ギシッ…… カチャカチャッ…… 古びたベッドが苦しそうに軋む音と 急くようにベルトを緩める音がする 首元に強く擦り付けられる唇 愛も愛想も含まれないその行為に ただ私は冷たいコンクリートの天井を 見つめているだけだった 「なぁ……気持ちいいか? なぁ?感じんだろ?」 胸を乱暴にまさぐる その荒々しい行為 「………………」 男のプライドが確かめたくなるのだろうか 私に一言でも声を上げさせたい そんな情けない感情が その必死になる行為を 惨めに見せていることを本人は知らない 「………………」 「このっ……!ガキが!! 色気の1つでも見せやがれ!!」 バシッ……!! 力の限り殴り付けられた頬は ジンジンと熱を孕んでいく 私に馬乗りになっている男は ズボンの前を開いまま 荒い息をそのままに 私に憎しみにも似た感情を隠さない 「おらっ! 声の1つも上げてみろよ!!」 「……ッ…………」 絞められる首に絡んだ指は加減を知らずに ただバカみたいに力を込める こんなに絞められたら 声の1つも出せなくなるのに ホントに……バカな男
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