前を向いて

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その日は新人クルーと他店からのヘルプと社員以外は休憩無しやった。 私も契約社員もほぼ休み無し。 午後になると少し落ち着き、急いでまかないを食べて夜に向けての仕込みをする。 他店舗のヘルプや社員の一部はドライブスルーが出来ないから店内のみのヘルプといった感じやった。 「いっちぃ!おひさぁ」 「あ!柳さん!お久しぶりです」 「鉄人らしいやん」 にやけながら言う柳さん。 「あれはブロック長が勝手にそう呼んでるだけです!」 「まぁでも俺も嬉しいよ」 「え?」 「裏の更衣室で社員連中誉めてたで!よく動けるクルーやってな!いっちぃは俺の弟子やからな」 「柳さん…」 「篠田の事は聞いたよ…。信じられんけど親がそれじゃどうしようも無いしな…。男はあいつだけ違うしみんなお前を心配してたぞ!あんま考え込むなよ。自分を責めるなよ」 「柳さん…ありがとうございます!柳さんの為にも私めちゃくちゃ頑張りますから!スーパークルーになりますから」 「おぅ!俺は夕方帰るけど、頼むな!もうスーパークルーへの一歩を歩き出してるんやからさ」 「ありがとうございます」
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