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「本当はね、最初に病院への付き添いを条件にしたのは赤ちゃんのエコー写真を見たら俊が考え直してくれるかもしれやん、そしたら説得しようって…そのつもりやった…」
「………」
「でもね…日が経つに連れて私…」
「由希…俺…由希の事まだ好きや…」
「ありがとう…私ね…俊を本当に愛してるよ…だから俊には幸せになって欲しい…」
「由希…」
「だから中絶を選んだ…私の存在が俊を苦しめる…俊から自由を奪ってる…それなら私は消えるよ」
「由希!」
「私は俊の前から消える…俊…大好きやで…泣かんつもりやったのに…ごめんな…大丈夫やから。私は大丈夫やから」
沈黙が続いた。
私は落ち着きを取り戻したから看護婦さんを呼んだ。
そして二階の個室へ案内された。
「ここで手術後休んで貰いますから。手術は30分後です。呼びに来ますから」
「はい、解りました」
俊も入ってきた。
俊のお母さんも…
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