第1章 亡霊の噂

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第1章 亡霊の噂

理科室に亡霊が出た。  その噂を始めて聞いたのは、まだ少し肌寒い、そんな4月のことだった。  ここ県立旭丘高校は、今年第107期生を迎え、学校には新しい風が吹いていた。 ここで少しここ旭丘高校について説明しておこうと思う。旭丘高校は、今年で創立146周年を迎える県内屈指の伝統校であり、また多数の学生が大学へ入学するなどの実績を持つ進学校でもある。俺はここで勤続して早2年となる。つまり今年で3年目だ。俺の名は、凪野優作ここの教師だ。担当教科は理科、今は1年と3年の理科を教えている。ちなみにおれもこの学校の卒業生だ。 俺は、いつもの廊下を通り、いつもの階段を上って理科室に向かう廊下や階段では授業中ではないからか少しうるさい、元気があるのは良いがそれが少しでも授業中にも生かしてくれれば楽なのに、そんなことを思うのは決して俺だけではないはずだ。そんなことを思いながら俺は第一理科室に向かった。廊下の窓から見える桜は、きれいに咲いていたその光景はそんなことを考えていた俺にかすかな癒やしを与えてくれた。
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