第4章 理科室の亡霊

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よって当時2年生で現在3年生の女子だと言うことがわかる」とおれが言うと栗原は「でも女子だと断定することは」栗原が言い終わるのを俺は待ち、手にフック付きのリボンを栗原の前に見せた「これが亡霊の正体が女子であるという決定的証拠だ」とおれが言うと栗原はもう勘弁したらしくこちらの話を聞くらしい。実はこれは、今から2週間前に落とし物としてあったものだ。拾ったもの曰くこれは、第一理科室の机の引き出しの中に入っていたものだそうだ。俺は昨日、これを持ち出すために、わざわざ生徒指導室まで足を向けたのであった。「というわけでこれが、理科室の亡霊が女子であるという証拠だ。」「なるほど確かにこれだと亡霊の辻褄があいます。しかし私が見たものはあくまで火の玉で・・・。先生はこれをどう考えるんですか」と栗原が言った。「それについては、しっかりと理由がある。それは直接的な亡霊が理科室でやっていた行為と重なる。だから最初に一体亡霊は理科室で何をしていたのか。それを説明しようと思う。」俺はそう言うともう一度チョークを持ちこう説明した。「亡霊は理科室であるものを作っていた。そのあるものとはこれだ」そういうと俺は栗原にあるものを見せた「先生これって・・・。もしかしてコインですか」と栗原が不思議そうに言った。「そのとおりだ。これは俺が銅粉を使って作った自作のコインだ」「コインなんてそう簡単に作れるんですか」「ああ、実は案外簡単に作れる。適当に銅製のコインと銅粉、火力例えば三脚と一緒に使うならアルコールランプだろう。そしてハンダゴテのようなものがあれば比較的、簡単に作ることができるんだ」「そうなんですか。じゃあ私が見た火の玉というのは」「恐らく、アルコールランプの炎だろう。」「でも先生これでも謎は残ります」「そうだな、まだなぜ亡霊がこんな事をしたのかだな」「はい。どうして亡霊はこんな事をしたんでしょう」「恐らくそれは・・・。」と言いよどんでから「それは俺にもわからない」いった。「そうですか。わかりませんか。ここまでわかったなら知りたかったんですけど」「まあ俺も探偵ではないからなわからないことも多々あるさ」 そう言うと栗原は「そうですよね。そんなもんですよね」と言った。栗原が少し不満そうだったので俺は栗原がりかしつから出る前にこういった「恐らくそれは、幻なんだよ。いい意味でも、悪い意味でも」
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