第1章 亡霊の噂

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亡霊と言えば、読者の皆さんは何を考えるだろうか。ちなみに俺は最初、ゾンビやキョンシーといった不死のものを思い出した。そもそも亡霊とは何なのか。辞書で調べみたら、次のようにでてきた。―この世に現れた死者の魂―だそうだ。実に明快だ。死者の魂、すなわち死んだ人間の魂、現に人間は生きている時と死んだときでは21グラムの差があるのだそうだ。だがそれに反論する意見として生と死とのが曖昧だという意見がある。要するによくわかっていないということである。ちなみに幽霊は―死んだ人の魂―なんだそうだ。調べてみた結果どちらも意味はほとんど一緒だ。なぜ、急にこんな話になったのかというと、時は少し遡り、今日の朝に遡る。           *         *           * 4月15日、今日の朝は、太陽がぎらぎらしていてとても暑かった。その中を自転車で登校している身としては太陽を呪った。俺は学校に着き、まず職員室に入り自分の机に座った。職員室は冷房が効いていてとても涼しかった。そして俺は、朝の定例の職員会議に出席した。 校長のあいさつから始まり、各部署の職員達がそれぞれ話していく。そして最後にいかにも厳しそうで冷たい、女性の教頭に話は振られた。 「えー。新入生が入学してきて早二週間がたちました。そろそろ時期的にも、新入生の心がゆるみ始めるころです。そんな時期が一番、危険ですので先生方もそのへんの注意喚起をお願いいたします」と事務的に言った後で「凪乃先生、ちょっと」と急に教頭に言われたので俺は少し身じろいでから、「わかりました」といい会議終了と共に俺は教頭の元へ行った。教頭は女性ではあるが、43才で独身おまけに口調が厳しいことから密かに生徒達からは「氷の女王」と言われているのを聞いたことがある。実際、目の前にたつと何ともいえない威圧感があり、緊張する。俺が苦手な教師の一人だ。       
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