第1章 亡霊の噂

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           *    *    * 俺は第一理科室にいた。第一理科室にいた理由は、次の授業の準備のためである。 次の授業は1年2組で植物の基礎知識である。植物の科目は、実験がほとんどなく、テレビでのビデオ鑑賞くらいである。俺はそのためのパソコンを準備しようと思い、あの理科室特有の黒い机にふと目を落とした。そこには埃のような、赤褐色の粉が、その机全体に付いていたなぜこんなものが付いているのか疑問に思い、この粉はなんだろうと人差し指と親指でその粉をひとつまみして目に近づけて見てみたが、よくわからなかった。俺はその粉を掃除し終えると、その粉をきれいにティッシュで包み、保管した。  一体これは何なのか。これも亡霊の何かなのか、もしくはただの思い違いか、いずれにせよ何者かがここ(第一理科室)に侵入してなにかよからぬ事をしているのは、事実のようだ。
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