第三章 千里眼

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今まで出た情報とは全く違う『火の玉』という目撃証言が出た。ここで少し亡霊のの噂話をまとめておこう。まず一番最初の噂は、3階の窓から黒い手のようなものが一瞬窓から見えたがすぐ消えてしまったというもの。第二の噂は、亡霊の顔らしきものを見たと言うもの。第三の噂は、黒い影のようなものが横切ったというものだ。つまり栗原が見たという火の玉を含め、この噂にはある共通点がある。それは目撃者全員が外側の窓から見たという点だ。目撃者は皆、目撃場所は違うが、この共通点はずっと同じである。もしかしたらこれこそが亡霊の正体を探すいい鍵となりそうだ。  ここで少し俺の少し不思議な能力を教えておこうと思う。まずその能力の名を『千里眼』といっている。これは俺の大学時代の教授が付けてくれたものだ。別に超能力などではなく。 ただのちょっとした特技にようなものだと思ってほしい。俺は普段付けている眼鏡を外すと、つまり裸眼で人間や動物、植物ありとあらゆるものを観察すると、その人だけが知っている情報や普通の人は気づかないものに気づいたりすることができるそういったいろいろな情報を視覚から文字として情報を認識することができるというものである。この能力は他者から見ればとても魅力的だが、こちらとしてはとんでもない、正直言っていやなものである。もし超能力があるんだとしたら、できればサイコキネシスや透視能力といった超能力が良かったと子どもの頃は、そう思っていた。ちなみに、俺がこの能力に気がついたのは12歳、小6の時だった。最初はすごいと思っていたが、年をとるにつれ、この能力がどんなものなのか、理解していくようになると俺は、だて眼鏡をかけ、能力を封印した。だが大学に入ったとき、ある教授と出会い、考え方が変わった。ちなみにこの能力を『千里眼』と名付けたのはこの教授である。その人は俺にとって唯一の恩師だ。 話を戻そう。俺はこれから、、理科室の亡霊の正体を見つけようと思う。それは単に教頭に言われたからではなく栗原にも言われたからではなく、ただの好奇心だ。なぜ亡霊は理科室に現れるのか。いったい亡霊は、理科室で何をしているのか。なぜ、こんなリスクまで背負ってまで、こんなことをしているのか。俺はこの3つの謎をただといて見たくなった。理由はそれだけだ。
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