2021年(令和3年)12月

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「麻実ちゃん、どうすんの?今の話し━」 二人になった楽屋で、手川が尋ねてきた。 「お断りしたいんですけど……。ダメですか?」 そんなことをするために、自分は芸人になったわけではない。 すると━。 「えっ、断る?!ヤバいよヤバいよ!相手は修助さんだよ?断るなんてあり得ないよ!」 コイツ……。 「え、麻実ちゃん彼氏とかいるの?」 麻実は首を横に振る━。 「いないんでしょ?じゃあいいじゃん!一晩ガマンするだけで、スターダミュにのし上がれるんだよ!」 今、噛みましたやん……。 「大丈夫!オレ、誰にも言わないから」 元モデルによる、修助の枕営業強要告発━。 「その時、一緒にいたタレントの『T』さんが止めてくれず、それどころか煽っていました」 "タレントT"とは手川、コイツの事だったのか……。 「じゃあオレ、紅白に戻るから━。いいね、しっかりやるんだよ」 白組応援団、いや"修助応援団長"は、そそくさと楽屋を出て行く。 これが芸能界……。 あんな男に抱かれるなんて、絶対にイヤ。しかし━。 自分たちのような者が栄光を掴むには、力のある者の言いなりになるしかないのか。 麻実は、愕然とした━。
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