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「麻実ちゃん、どうすんの?今の話し━」
二人になった楽屋で、手川が尋ねてきた。
「お断りしたいんですけど……。ダメですか?」
そんなことをするために、自分は芸人になったわけではない。
すると━。
「えっ、断る?!ヤバいよヤバいよ!相手は修助さんだよ?断るなんてあり得ないよ!」
コイツ……。
「え、麻実ちゃん彼氏とかいるの?」
麻実は首を横に振る━。
「いないんでしょ?じゃあいいじゃん!一晩ガマンするだけで、スターダミュにのし上がれるんだよ!」
今、噛みましたやん……。
「大丈夫!オレ、誰にも言わないから」
元モデルによる、修助の枕営業強要告発━。
「その時、一緒にいたタレントの『T』さんが止めてくれず、それどころか煽っていました」
"タレントT"とは手川、コイツの事だったのか……。
「じゃあオレ、紅白に戻るから━。いいね、しっかりやるんだよ」
白組応援団、いや"修助応援団長"は、そそくさと楽屋を出て行く。
これが芸能界……。
あんな男に抱かれるなんて、絶対にイヤ。しかし━。
自分たちのような者が栄光を掴むには、力のある者の言いなりになるしかないのか。
麻実は、愕然とした━。
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