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美枝子が鮫島を、ベッドに誘うー。
鮫島が覆い被さってくると、美枝子はその下半身に毛布を掛けた。その中でショーツを脱ぎ、鮫島にもパンツを脱がせる。
これで2人を隠すものは、前貼りただ一枚となった。この前貼り、既製品がある訳ではなく、本人かスタッフの手作りによるものである。
美枝子は、自分で用意したビニールシートを貼っている。一方、鮫島はその大きさに切った薄手のソックスを被せ、勃起しても取れないよう、根元をテープで固定していた。
この前貼りをカメラに映り込まないようにする事が、ベッドシーンにおける演者の最大の注意事項である。
2人の絡み合った脚が、毛布からはみ出る。そして鮫島の思慮の足りない動きで、毛布はベッドの下に滑り落ちた。
普通の撮影であれば、ここでカットが入り、毛布を元に戻して再スタートとなるが、これは長回しである。カメラは止まらない。
毛布を失った美枝子は、上半身で鮫島の稚拙な愛撫を受けながら、下半身を鮫島の股間に押し当て、互いの前貼りが映り込むのを防ぐ。その間、淫靡な声を上げる事も忘れないー。
「あぁ…、あっ!あぁぁ…」
この声で、鮫島にスイッチが入った。今までのぎこちなさが嘘のように、猛然と美枝子に挑みかかる。
美枝子はこれを、全身で受け止めたー。
鮫島の下半身が、猛りを増す。本人は気付いていないが、前貼りは剥がれる寸前だー。
「焦っちゃだめ…。ゆっくり、やさしく…」
鮫島の耳元で、美枝子が囁く。そして、思う。もう終わらせてあげないと、この人は限界だー。
終了のタイミングも、美枝子は黒岩に任されている。
「そのまま、ゆっくり来て…」
下から美枝子は、鮫島に挿入の演技を促す。いよいよ、クライマックスである。
美枝子の細い両脚に、鮫島の体が割って入る。
「そう。ゆっくり、やさしく…」
ここで美枝子は、鮫島のいきり立つものに手を遣り、そっと触れたー。
鮫島は、まるで結合したような感覚に襲われた。
「あっ、あっ、あぁぁぁぁぁッ!」
美枝子が声を上げながら、激しく腰を突き上げる。そしてー。
「んッ、んッ、んッ、んッー!」
鮫島は堪らず射精した。美枝子にしがみつきながらー。いつの間にか、前貼りは剥がれている。
自分は美枝子の中に入ったのか、それとも…。混沌とする意識の中、精も根も尽き果てた鮫島は、その大きな体を美枝子に預け、奥深くまで沈んだー。
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