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この年のプロテスト受験者は、真須美を含め20名。皆、女子プロレスに憧れて全国から集まり、オーディションに合格した15才から19才までの少女、女性である。
しかし最終関門であるこのプロテストに合格しなければ、念願のレスラーにはなれない。
「おら━ッ、てめえら全員並べ!」
竹刀を手に、トレーナーである先輩レスラーが練習場に入ってきた。全部で5人━。
このトレーナーは、候補生より2~5年ほどの先輩が務める。そしてメイントレーナーが入団3年目の、宇根昌子という女であった。
この時19才━。
「これからプロテストまでの3ヶ月、アタシたちがお前らの指導をする。先輩には絶対服従だ。いいな?!」
それほど大きな女ではない。しかしその圧倒的な迫力に、候補生たちは震え上がり、声も出ない。
その時であった。
バシッ━━!
昌子の脇にいる別のトレーナーが、床を竹刀で叩きながら怒声を上げた。山脇美月という、5年目の選手━。
「返事は?!」
「はいッ!」
候補生たちは直立不動で応える。
「返事、挨拶の出来ないヤツは、竹刀で容赦なくぶっ叩いていくからな。そのつもりでいろ」
各自、思い思いのジャージ、トレーニングウェア姿の候補生を見回して、昌子が言った。
ちなみにトレーナーたちは全員、新女公式の赤いジャージ姿である。
「よーし、じゃあ全員、これに着替えろ」
何やら紺色の布切れが、候補生たちに配られた。
何だろう……?
真須美はそれを広げてみる。
これは━━。
スクール水着であった。
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