2017年(平成29年)7月

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天才美少女棋士、あらわるー。 2012年、将棋界のみならず、世間の話題は、これに終始した。 村山みずほ、13才。中学1年生ー。 プロ棋士の養成機関である奨励会にわずか9才で入会。 メキメキと頭角を表し、先輩の男子奨励会員たちを次々と撃破。 そして4年後、四段に昇格。史上5人目の中学生プロ棋士となるともに、史上初の女性棋士の誕生であった。 世に女性の将棋指しは多数いる。 しかし、彼女らは『女流棋士』であって、『棋士』ではない。 『棋士』とは、みずほのように厳しい試験に合格して奨励会に入会し、過酷なリーグ戦を勝ち抜いて四段に昇格した者のみに与えられる称号である。東大に入るよりも狭き門だ。 将棋は、男の競技である。 同じ盤上ゲームである囲碁やチェスに比べても、女性競技者の割合は圧倒的に低い。 何故かー。 もちろん、明確な理由は定かではない。 一説には、相手から奪った駒を、自分の手駒として使える将棋独特のルールが、男に比べて裏切りや謀略を好まない女性の気質と相容れないからだと言われている。 いずれにしても将棋界は、世界で最も過酷な男社会であったー。
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