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政府が『超常生物緊急事態宣言』を全都道府県に発令ー。
これを受けて愛知県は即座に、県内の小学5年生から高校3年生までの女子生徒、つまり初潮を経験しているであろう生徒の学校への出席を停止する事を決定した。
化け物が捕食するのは、初潮を迎えている処女である。
小5から高3までの女子ー。もちろん中には処女でない、非捕食対象者もいるだろう。しかしそうした事を自ら申告する生徒など、いる訳がない。よって一律に出席停止としたのだ。
もちろん学校に行かず、家にいても化け物に襲われる事はある。それは仕方ない。
それよりも、学校での集団捕食(クラスター)の発生を防ぐー。そのための措置であった。
では、すでに高校を卒業している捕食対象者は、どうするのかー?
前述した大山知事の「セックスしましょう」発言は、記者からのこうした質問を受けて飛び出したのである。
大山は続けるー。
「高校生までの女子生徒は、県が全力で守ります。しかしそれ以上の大人の捕食対象の方は、ご自分の身はどうかご自分で守ってください。どうやって守るのかー。簡単です。男性とセックスをしてください。そうすれば化け物に襲われる事はありません。男性の皆さんは、女性の身を守るための行動に、ご理解とご協力をー」
これに対し、女性記者が噛みついた。
「そんな事を強制して、その女性が望んでいない妊娠をしてしまったらどうするんですか?!性病に感染する危険だってあるんですよ!」
しかし、大山は動じない。
「そんなモン、ちゃんと避妊してやればいい事だで」
このやり取りがテレビで放送され、ネットにも配信される。
『女性を何だと思ってるの』
『こんな人が知事をしているなんて…』
『女性蔑視の極みです!』
当然の事ながら、SNS上は大山への批判で溢れた。しかしー。
翌日から愛知県内のコンビニ、スーパー、ドラッグストア等に県民が殺到し、コンドームが品切れ状態となる。
そしてこの状況は瞬く間に県外に飛び火。人々が押しかけ、陳列棚にひっそりと置かれたあの小さな箱が、全国の店から消えたー。
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