彼女の理想になりたくて

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「だから、俺は 身体を鍛えたし、背も伸びるように努力した。」 「あの時の俺とは違う。少しは葉月の理想の男に近づけたと思ってる。」 「好きだ葉月。俺と付き合って欲しい。」 熱っぽく語る透。真剣な目をしている。 ホントに? 葉月は急に恥ずかしくなってきた。 何て自分は馬鹿なんだろう。 透はこんなに想ってくれていたのに。 葉月は、透の手を取った。 優しくぎゅっと握り、透に微笑む。 「そっか。今まで、ごめんね。これからよろしくね。」 「ありがとう!!葉月ーーー」 透は、がばっと葉月を抱きしめる。 改めて大きな身体だと思った。早く脈打つ心臓の音が聞こえる気がした。 葉月は目を閉じて透の温かさを感じた。 初めて透にドキドキしてる。そんな感覚がした。 ところで、透は何故あの時の会話の内容を知っているのだろう? 女子更衣室で、着替えている時の事なのに。 葉月は深く考えないようにした。
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