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貴方が僕を愛してくれないから、僕は違う男の人に抱かれた。
僕を愛してる?と聞くと、
その人が愛してると言ってくれるからだ。
だけど、いただけないのは、そいつが僕に
「お前は?」 と問い質すからだ。
僕はキレる。
「お前って言うな!」
思いっきり突飛ばす。
僕は受け身ばかりじゃ嫌なんだな。
そいつを寝っ転がし、横臥の体位で挑む。
さっきの返事は宙に放り投げる。
こいつは不細工だし、金にセコいし、傲慢野郎だから、気持ち悪いほど、僕の嫌いなタイプだ。
愛せる訳ないじゃないか。
僕の行為は相手に勘違いをさせてしまう。
終わった後の奴の執拗さといったら、噛み付いて離れない梅雨時のカビのように鬱陶しいんだ。
単なる欲求不満の捌け口だと、答えて立ち去る。
僕は下半身の怪物だと思うときもあるけど、
頭の中──心は脳が造り出した観念で、指令しているのは脳内細胞だ──
感情は頭の中で沸き上がり、身体中がそれに反応する。
僕は貴方に愛されたくて、快楽の真っ只中にいてさえも哀しいんだよ。
<ココ迄>
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