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3人で戦う論理的シミュレーションなら、イヤというほどやってきた。
その結果はいつだって、
「俺が負けるわけがないだろう」
ドヤ顔で、俺を見下ろしてくる龍一。
毎回飽きもせず同じ結果を導き出す俺のパソコンは、ホント持ち主に似て優秀で、シミュレーションすること事態がアホらしくなってくる。
たとえ疑似でも、俺たちは龍一に勝てた試しがない。
俺はパソコンのマウスを放り出すと、
「おーおー、偉そうな。でもそもそも、体力バカに戦闘のフィールドでやろうなんて、俺らはハナっから考えねーんだよ」
早々にホールドアップしてしまう。
負ける勝負は、最初からしないのがモットーだ。
だけど龍一は、
「時と場合によるんじゃないのか?」
真顔でいい返してくるので、俺は大げさな仕草で肩をすくめる。
こいつの吐く冗談は、これまで一度だって笑えたことがない。
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