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俺たち3人は、まるっきり他人なクセに、同じで、反吐が出るくらい嫌いなのに、どこか憧れている。
互いの頭に銃口を突きつけ合っているような緊張感があるのに、背中を預けられる、という奇妙な関係でもある。
だから俺は――、
保にならいつだって殺されてやるつもりでいたし、保は龍一に敵わないことを知っていた。
そして龍一は、俺に負ける覚悟があったのだろうか。
龍一は、驚くほどあっさりと死んだ。
俺に殺された。
シミュレーションでは勝てた試しがないのに、俺は龍一に勝った。
結果、保は死に、龍一も死体をさらしている。
もしも殺し合う順番が変わっていれば、この結果はまるっきり違ったはずだ。
どんな神さまの気まぐれか、俺だけがひとり、――生き残っている。
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