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沢山の人の陰が重なり合う体育館。
ここは熱気で溢れてる。
響くドラムのリズムとエレキギターの音。
スポットライトの下で、輝く5人の男の子。
居た。雅紀だ。
ステージの上で少し緊張してるみたい。
でも、大丈夫。
あれだけ毎日練習頑張ってたじゃん!
私は彼の成功を祈りながら、雅紀を見守る。
「バンドに集中したいんだ。」
そう言って、文化祭のライブに向けて毎日練習していた雅紀。
指がボロボロになっても、ギターの練習に励んでたよね。
私と雅紀は知り合って2年になる。
「彩香、俺と付き合って欲しい」
そう言ったのは雅紀からだった。
高校1年の夏。。。
とても暑い日の放課後だったことを今もよく覚えてる。
初めて手を繋いだのは、三回目の水族館デート。
キスしたのは、その1ヶ月後。
学校の帰りに不意打ちに。
エッチしたのは、付き合って半年後。
雅紀の部屋で。
「彩香。。。愛してる」
雅紀は何度も何度もそう言った。
吐息のような優しい声、いつもとは違う荒い息遣い。
彼への愛おしさに胸から何かがこみ上げてくる。
「私も大スキだよ。雅紀」
そんな雅紀が目の前で、輝いてる。
誰よりもカッコイイ!!
世界で一番愛してるよ!
私は、雅紀の邪魔にならないよう遠くから応援してるね。
「。。。かー、。。。やかー」
私を呼ぶ、友達の声がする。
「もー、沙也加ぁ。
どこいってたの?探したんだよ??」
「ごめん。体育館のライブ見てた」
「模擬店の人足りないんだから、抜け出さいでよね。早く行こう」
「うん。」
雅紀、ずっと応援してるよ。
世界で一番愛してる。
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