転入生、来る

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「みんなぁ、おはよぉ~!」 教室に入ってそう言うとクラスメイトは慣れたように「おはよう」と言い返してくれた。 親衛隊の子らは笑顔まで向けてくれた。 まだこの教室には学力上位者である特待生や特別推薦等で入った子が何人かいるせいかそこまで庶民に対しての差別意識はない。 さらに、外部生も数名いるせいか親衛隊を過度には嫌っていないし少しは理解もしてくれている人もいてくれる。 ただ、どのクラスにも親衛隊を嫌う人間はいて、コソコソと口々に言い合う声が聞こえるのは毎度のことなので気にしない。 聞こえてくるのは「淫乱」「気持ち悪い」「最低」「クズ」などと俺を貶す言葉も多いが、それに混ざって「抱きたい」「鳴かせたい」などという非常にやめてもらいたい言葉も多い。 まあ、俺は日本人の平均身長はあるもののこの学園にしてみたら俺は美形だが、それは可愛いやら美人やら言われる所謂ネコと呼ばれる抱かれる側の顔や体らしい。 ちなみにたっくんは抱く側、所謂タチ側と呼ばれている。 …たっくん助けて。俺を抱きたいとか言ってる奴の目が怖すぎだわ!!
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