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 「生めばいいさ。そして一生、俺を幸せにすることだけを見て生き続けろ、それがお前の業だ。俺を殺すか、俺自身が生きるのを嫌になるか、もし失敗すればお前を呪ってやるからな。輪廻転生があるとして、その繰り返し全ての縁を断ってでも、お前を世界でただ一人呪い続けてやる」  私は気が付くと蝋人形になっていた、蝋を接着剤代わりに継ぎ接ぎだらけの不良品。熱した石を押し付けられる様に口元が熱い。自由の利かない瞳孔が映し出すのは恐れ戦く生身の私であった。
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