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けれど成長すれば、非行に走ろうとする心を抑える理性というものが芽生え、それこそが右耳で静かに囁く『右耳天使』なのだ。「いいえ、認めないわ。多量に摂取すれば胎児に悪影響を及ぼすのは間違いないのだから、少量なら問題ないとはいえ、それは四捨五入した値を示しているのよ」と『右耳天使』の甲高い声が鬱陶しくも感じる。両耳を塞いでも続く二人の討論に呆れながら、携帯電話をインターネットに繋いであることを調べ始めた。
私は先天的に、致命傷となり兼ねない病気を患う。怪我をして出血すれば、まず血液に含まれる血小板が活性化して止血栓を形成する、かさぶたの成分には他に赤血球なども含まれるが血小板こそがその立役者となるわけだ。止血に欠かせない血小板の血中濃度が減少する症状を総称して血小板減少症と呼ぶ。これこそが私と出生らい共にしてきた病である。同じ症状に悩むその母数を測ったところ、決して多くはないが極めて珍しいとも言えず、その大半が軽い症状もしくは数年の治療が症状を問題のない水準にまで抑えるという。
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