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次の日曜日涼は母さんに案内されてやってきた。 「亜津紗。挨拶しなさい。涼君よ」 「涼。よろしくね。亜津紗を。あなたの妹だから」 涼は横に被ってた帽子を取るとぺこりと頭を下げた。 色の白い瞳の大きな子だった。 白のTシャツにグレーの短パンをはき、ひょろと生えた脚の両ひざにはばんそうこうがはってあった。 「涼は何かスポーツやってたんだよね」 「バスケ」 涼は寡黙な少年だった。 でもおとなしいのではなく心の中にとても強いものを秘めた少年のように思えた。 「涼。母さん。嬉しいわ。あんな幼なかった児がこんなに大きくなって・・・ 母さんを許してちょうだい。何もかも悪いのはわたしだから・・・」 「母さん。オレ強い子だから大丈夫」 「涼。許しておくれ。私は一度も忘れたことはないよ・・・ 『いかないで』って玄関先でお前は私のスカートを引っ張ったね。 あの時のおまえの顔を・・・」 そういうと母さんは膝から崩れ落ちて涼を抱きしめ、大粒の涙をぽろぽろとこぼした。 肌でぎゅうと涼を抱きしめるとしばらく時間を止めて、そして踏ん切りをつけるようにやっと離した。 「さぁ。亜津紗と遊んでおいで」
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