第二十六話

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第二十六話

「産まれてくる子はαかな、Ωかなぁ……」詠月は耳をお腹につけて中にいる我が子を思う。 「……俺はなんとなくαな気がする」 「どうして?」 「なんとなく。詠月さんそっくりな子が産まれそうな気がして……圧が強いから、いや、念……?」  皐月は顎に指を添えて眉をひそめる。 「ちょっと? 最近の君は僕にすごく冷たいよね。あたりがきついっていうかさ、最初はもっと可愛かったのに……」 「Ωのが良かった? すぐに一緒に住めなくなるんだよ?」 「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!! そうなったら施設に皆で住もう!!」  思わずぽかんとした顔で皐月は、駄々っ子にように必死に首を振る詠月を眺めた。そしてゆっくりと笑みを浮かべる。 「そうだね──、そんな未来が早く来るといいね。αもΩも、家族みんな一つ屋根の下で住める幸せな世界に──」     
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