第1章:勇士認定証試験

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「ここが勇士試験会場か」 大勢の武装した人が大きな酒場『ギルド』の前に集まっている。 「やっとここまで来たんだ。あの時の勇者様との約束を守るため俺も勇者にならないと」 他の志願者よりも少し小さな志願者。リヒト=ルミエールは怯えていた。 勇士とは近接。遠距離。魔法。治癒。全てを扱う一番難しい資格である。 それをわずか齢15で受けるのだから緊張もするものである。 「だ、大丈夫!僕には村のみんなからもらった勇気がある!頑張るぞ!」 ギルドに入ろうと一歩踏み出したところでリヒトはいきなり何かに吹き飛ばされてしまった。 「おやおや。こんな所に鈍臭いガキがいるなー。試験に落ちて泣く前に帰った方がいいんじゃないのー?」 誰かわからないが大きな声でそう言うと周りから笑い声や罵倒も聞こえてきた。 リヒトは恥ずかしさと悔しさから起き上がることが出来ず歯を食いしばった。
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