にちようび。【PICNICAMERA 04】

にちようび。

ネロは、男の子だとゆーのに、ずるいくらいに女の子みたいだ。
肌のキメが細かくて、まつげが長く、まぶたのうすい、大きな一重の目元。
ぽってりとした少し厚めのくちびるも、
きれいにならんだ隙間のない歯並びも、
サラサラとした髪も、頬やうなじのほくろも、女の子みたい。

そのくせ、例えば今、私の前で寝息を立てているこんなときには、
ちゃっかりヒゲが伸びていて、やっぱり男の子なのだった。
ヒゲ面の、美少女。

彼の顔を眺めていたら、
まつげが、ふるっと震えて、目を開けた。

彼の指が、私の顔の輪郭をそっと撫で、最後にアゴをそっと持ち上げ、
自分の方に引きよせる。
くちびるが重なり、抱き寄せられる。
私は自分が、コンソメでできたゼリーになってしまった想像をする。
くっついているところ全部、私より熱い彼に、とろりと溶かされてしまう。
溶けかけたゼリーの私は、泣きたい気持ちに、少し似てる。
私の身体まるごとが、泣きたい気持ちなのだ。