第1章

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僕の家の前には道路を挟んで公園が広がっている。 海沿いの崖に沿って造られた公園なので、自殺者が絶えない場所だ。 僕達家族は毎朝自殺者の有無を確かめる為に公園に行き、運動したりランニングをしたりしながら、崖沿いに設置されているフェンスの向こう側を見る。 大抵の自殺者は、崖の上に靴を揃えてから飛び降りるから直ぐ確認できた。 そんなこんなで僕達家族は崖下の岩場に叩きつけられている遺体を見ても、何も感じ無くなっている。 今日も公園に行くと、フェンスの向こう側の崖の縁ギリギリの所にブーツが置いてあった。 僕の前を歩いていた婆ちゃんがブーツを見た途端、「ヒイィィィィーーーー」って悲鳴を上げて腰を抜かし、助けを求めて僕の方へ手を伸ばす。 婆ちゃんを助け起こしながらブーツを見て、婆ちゃんが悲鳴を上げた理由を知る。 ブーツの中に血塗れの足首が入っていた。
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