音楽教師の悦楽

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「次、『ラ』」 しかし、もう限界だった。軽く酸欠になりながらも「ラ」の音を吹き終えたが、苦しくなり唇を緩めてしまった。と同時に、吹き口部分が狭い口内に滑り込んでしまう。喉の付近まで硬いものを咥えるというのはなかなかに辛い。しかし、相変わらず男はリコーダーと少年の手を持つ力を緩めようとはしない。 「っんぅ、」 声を出してせめてもの抗議をするが、体格の違い過ぎる相手に覆いかぶさられては勝ち目のないことなどとっくにわかっていた。 「舐めなさい」 強い口調でそう言われ、狭い腔内でおずおすと舌を動かす。 男はリコーダーを右手でしっかりと持ち直すと、少年の口内を蹂躙するためそれを上下に動かし始めた。今度は口を片時も閉じることを許されず、行き場を失った唾液がぽたぽたと零れ落ちてしまう。 「んぉ、っん、っん」 言葉にならない呻きを上げながら、少年は口の中を犯され続ける。いつの間にか身体は男の空いている方の腕にがっちりと抱かれ、身動きがとれなくなっていた。 「もっとちゃんと、舐めるんだ」 今度は喉のぎりぎりまで笛の先を押し入れられ、一瞬嘔吐感が込み上げた。息が苦しい。酸素が不足し紅く染まる白い肌。目からとめどなく涙が溢れていた。 「んんっ、ん、んぁ、ん、ぅんんっ、」 次第に頭がぼうっとしてくる。 身体の力も抜け、抗う術が奪われてゆくのを少年は感じた。
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