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誰か、助けて………。
そう心の中で少年が呟いた途端、計ったかのように目の前が開けた。
眩しい光の中に、誰かが立っている。
「……?」
明るさに目が慣れるまでに時間を要した。
「…生きてるな。」
高い位置から降ってくる低い声。
この声は……
「っ、美術の、先生……」
男は少年の言葉には無反応のまま、じっとこちらを見つめてくる。手入れの行き届いていないボサボサの髪。見ると意外に彫りの深い顔立ち。無精髭が見える。
目が慣れてきて様々なことが判明する。
ここは美術室の後ろにある掃除用具入れのようだ。
それに……
少年は男の視線につられ自らの肢体を見て驚愕した。紅い縄にブラウスの上から複雑な模様を画き出すようにきつく縛られ、下半身に至っては下着すら付けていなかった。そこに局部の根元を縛るように紅い縄を通されており、身体を少しでも傾けるたびにそこが刺激され、さらに圧迫されてつらい。
「っ……っ、」
耐えられず男の前で顔を赤らめながら下半身をもじもじと動かしてしまう。
「…つらいよね」
抑揚のない声でそう男が続ける。
ひょっとして、助けてくれるのだろうか?
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