美術教師の束縛

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「んあっ、ぁあっぁ、ひぅう、っぁあっ…っあ、」 無人の美術室に卑猥な音と少年の声だけが嫌に大きく聞こえる。 こんなに陽の差した場所で、外から誰かに見られるかもしれない。美術室のすぐ外を歩く生徒に声が聞こえるかもしれない。 どくんどくんと脈打つ血が男の律動と度々重なる。その何回かに一度がやってくる度、少年の白い皮膚の内側で細胞という細胞が物狂おしいほどの快哉を上げる。 「っ…っ、ぅあっ、あ、っ…や、こ、れおかしく、な…っ、っぅ、ぁあ"っ、っ、ぅ、んあっ」 全身が既にどうにかなってしまっている。 首も、脇も、膝も。身体のいたる所が空気の僅かな震えさえも快楽として拾い上げているのではと疑うほどに。 「も、や"めてぇ、…っ、ひぅ"っ、や"だっ、っやだぁ、っ……っ」 涙と汗でぐしゅぐしゅになった顔を歪ませて嘆願するも、男は聞き入れそうもない。ガタガタと音を立てて棚の上の小さな身体を追い詰めてゆく。 ー…カシャン そう音を立てて先ほどまで少年が持っていた筆が床に落ちた。その音でふと意識が周囲に及んだ瞬間、少年ははっとした。 「っ、あ、せん、せ、………ひとがっ、ひとがくる!っ……っ、」
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