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やっと解放されたかと思うと、今度は首筋を食まれ身体がびくんと跳ねる。
「っ……ぁ」
細く白い首を痛い程に吸われ思わず声が漏れる。
「ゃ、やめ……っ」
甘い香りが鼻腔を突く。
先ほどから漂ってくる花の香り……。
いや、この香りは側で咲く花々からのものではなく、この男からのものなのだと気づく。気づいたときにはもう遅い。
「……っあ、ゃ、なに……………」
俄かに反応を示す少年の下半身。白い肌掛けに覆われたそこが熱を帯びる。
「良い香りでしょ?」
情欲に潤んだ目で男を見上げると、くすりと笑って少年から手を離した。優しそうな笑顔のままの男に若干の恐怖を感じる。
少年が固まっていると、桟に置いていた手をとられ、指を絡められる。男の細く長い指が少年を捕らえている。
この場から、早く離れなければ…。
それに……。
「どうしたのかな?」
男が少年の指の形を確かめるように弄りながら聞く。
「え………と……」
言わなければ。
言葉にしづらいが、恥を忍んで言わなければずっとこのままな気がする。
「トイレに…、行きたいので………」
自分は一体今どんな顔をしているだろうと想像するのも辛い。熱持った下半身をどうにかしたいのもあるが、目覚めたときからぼんやりと感じていた尿意が今頃になってはっきりと感ぜられてきたのだ。
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