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「ふふふ、緊張して可愛いね、」
男は少年を楽しそうに眺めるばかりである。
ぴくんっ、と少年の腰が揺れる。
先ほどから漂う甘やかな香りが強くなる。
少年の息は次第に上がり、紅く色づく頬。
「っ…なに…………」
思わず朗読を中断し自らの下半身に目を向ける少年。
「どーしたの。早く読んでよ。」
男は少年の焦燥を愉しむかのように続きを促してくる。
心なしか尿意が強くなった気がして、少年の大きな瞳が潤む。熱い息が漏れ、全身を妙な痺れが走る。息だけではない。じんじんと体全体が痺れて、熱い。
ぱさりと少年の手から本が落ちた。
…体に力が入らない。
痛みはない。ただ身体が熱持ち弛緩する。
…どうしよう。
身体の変化には慄いたが、それ以上に深刻な事実に少年は背筋を凍らせる。尿意に耐えるためには下半身に力が必要なのに、みるみる全身の筋肉が緩んでいくのだ。
この、ままじゃ………
もはや座っていることすら叶わず、ぐらりとベッドの上に倒れこむ。白い天井が見えた。
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