国語教師の誘惑

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「あれ、結構早く効くんだね。薬。」 真白い視界の中愉快そうな声が響く。 身体の力は抜けても意識ははっきりとしているようだ。 薬…。 このひどく甘ったるい香りの正体……。 少年は辛うじて動く眼球で男のありかを探る。 「つまんないな。もう少し君の朗読聞いていたかったのに。」 男の声が近くなる。 「まあいいよ。今度は僕の番。」 さらに耳元で囁かれ、ぞわりと肌が粟立つ。 熱く火照った頬の側、柔らかく妖艶な声色で喋られるとどきどきと鼓動がうるさいほどに加速する。 「ぃ、ぃや……」 思わずかすれた喉で呻くと何か媚びるような響きを孕んでしまい、少年の羞恥がどっと高まる。 これが、自分の声だなんて………… 「怖がらないで。」 男の唇が少年の口を塞ぐ。 「…んんっ…ん」 絡まる舌。 くちゅ、くちゅと音がするほど口の中を掻き回され頭までもがぼうっと熱くなる。 「んあ…ぁ…………」 何度も繰り返される深い口づけの合間に漏れる声を抑えられない。 男の澄んだ瞳の中にどこか悩ましげな表情の少年が映っている。 あれが、自分……… 羞恥に更に紅く染まる少年の頬。
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