カフェオレ男くんの恋愛と世間体(前編)

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アーちゃんは僕の職場の先輩で、 かつては僕を「ホンマくん」と呼び、 あるときから「カフェオレ男」と呼ぶようになった。 カフェオレ男、と呼ぶようになったのは、 僕が会社でお気に入りのカップを両手に持ち、 「脇をしめて」おいしそうに飲んでいた場面が由来らしい。 真冬の日曜日に、円山の東急ストア前で拉致られ、 彼女の友人と3人で円山動物園に行った。 えっと、そのエピソードについては、 『PICNICAMERA』vol.1「ウィンターワンダーランド」および vol.2「カフェオレ男くんの温かな災難」をごらんください。 それで、ですね。 それをきっかけに、僕は彼女の専属シェフに任命され、 恋におちてそろそろ半年になるところだ。 恋におちたことをふたりで確認しあったときから、 彼女は僕を「ヨシアキくん」と呼ぶ。 そして僕は「あかりさん」と呼ぶことを禁じられ、 「アーちゃん」と呼ぶよう命じられた。 もちろん職場では、この限りではない。 ふたりの関係は、職場では絶対に秘密だ。
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