0人が本棚に入れています
本棚に追加
当時の「あかりさん」とつき合っていると噂を流されたことがある。
尾ひれ背ひれがついて、
クライアントまでがほくそ笑むと言う事態に陥った。
本当に大変だったのだ。
僕らの恋の障害は、こんな東の果てまで追い掛けてくるのか。
サッチン。相手が悪すぎる。
「仮にあれがサッチンだとしても、うちらに気づいてないよ」
「何でわかるの?」
「サッチンなら、私を見たら、挨拶するもん」
「俺と一緒にいるのを見たから、挨拶しないのかもしれないじゃん」
「ありえない。サッチンなら挨拶するよ」
さっきまでの、あの温かな親密さは吹き飛び、
僕らは一触即発の緊張状態に陥ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!