ススキノ・フェアリー・プリンセス

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お客さんが来たので、リュウはCDをいつもの「ロケンロール」に替えた。 私は「ごちそうさま」を言って、リュウの店を出た。 小路に立つと、雪がひらひら舞ってきた。 風が吹かないときの雪が好きだ。 『くるみ』で言えば、『雪の国』もあったな。 雪がひらひら降りてくる、第1幕の終わりの群舞。 雪の女王もソリストが踊るキレイなシーンだけど、 私はやっぱりコンペイトウが踊りたい。 ときどき寒いのが、好きなことがある。 火照ったホッペにヒンヤリしたのが気持ちよくて、 私は上を向いてうっとりする。 と、焼き鳥の、いい匂いが鼻に入ってきた。
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