0人が本棚に入れています
本棚に追加
ローソンでおつかいを終えて、
また、てくてく歩いて店に戻る。
店の前には焼き鳥屋さんがあるんだけど、
ときどき店が早く終わったら、食べに行く。
今日も行けるといいな。
店に入ると、拍手で迎えられた。
お客さんがみっちり入っていた。
いつものように、にっこり笑って「こんばんは」と言う。
お客さんは
「かわいいねー」「ホントに姫ちゃんのお嬢さん?」
「顔、ちっちゃいねー」「ほっそ~い」「手足長~い」
と言う。いつも同じだ。
あとは姫に言われる通りにお手伝いをする。
アイスペールに氷を入れて、テーブルに運んだり、
ソファの席のお客さんにおしぼりやお皿やお箸を渡したり、
(女の人に渡すのがコツだ)
カラオケの曲番号を書いたメモをもらってきたりする。
カラオケで盛り上がり始めると、姫が
「ありがとう、もういいよ」
と言うので、
カウンターの中の、ドアのないクロゼットの中に体育座りで入って、
本を読んだり、ゲームをやったり、iPodでバレエの曲を聴いたりする。
前に姫の「ボーイフレンド」に
「目が悪くならないように」と、ライトをつけてもらった。
延々とカラオケが聴こえる。
私の方が上手だ。
腕時計を見て、その時間だと、姫にことわってから外に出る。
小路を挟んだ向かいのビルの店に遊びに行くのだ。
最初のコメントを投稿しよう!