心でコートを着てみること。

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ストーブの前に新聞紙が敷かれ、 その上に私が履いていた靴が置かれる。 くっついていた雪が溶けて、靴は緊張を解く。 鍋からふつふつと微かな音がすると私は鍋をストーブから下ろし、 私専用のカップに入れて、ふーふーして口に付ける。 表面に張った湯葉状の膜をぺろりと食べ、牛乳を飲む。 熱くとろりとした液体が、身体の中をくぐり抜けていく感触が伝わる。 筋肉が身体の中心から末端にかけて、 ほぐれていくのが、しっかりとわかる。
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