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心でコートを着て、
猛吹雪の中に、おいてけぼりにされるのは、いつも突然だ。
気づくと、いつも私は、地吹雪で雪煙が舞う真っ白な中にいる。
びっくりして、途方に暮れて、
それでも必死になって自分の置かれた状況を把握すると、
いつもちゃんとコートを着ている。
私は少しほっとして、覚悟が決まる。
大丈夫。
だってコートを着ているのだもの。
覚悟が決まった私はコートの襟元をぎゅっと掴んで、
しゃんと背筋を伸ばし、
ときに前屈みになりながら、吹く風に向かって歩く。
前はよく見えないけど。
耳や頬を切り裂くような吹雪だけれど。
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